商業・法人登記は、株式会社・合同会社・一般社団法人等の法人の情報を登録し、公証するための制度です。
法律は、登記によって法人の情報を開示することを義務付け、信用保全や取引の安全を図っています。
当事務所は、以下で解説する各種登記業務、及び関連する企業法務を幅広く取り扱っております。
また、法務局及び裁判所以外の、各種官庁への許認可申請や、会計税務・労務関係等につきましても、必要に応じて各種専門家と連携し、ご対応しております。
※当事務所では、犯罪収益移転防止法上の要請、及び偽造書類等を用いた法人乗取り等の事件を防止する観点から、設立・役員変更・定款変更等の登記申請代理の際、法令及び司法書士会のガイドラインに則った本人確認事務を厳格に履践しております。
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設立
株式会社や合同会社を含む多くの法人は、設立登記をすることによって、法人格を付与され、事業活動ができるようになります。
株式会社を一例として、設立手続きの流れを説明いたします。
株式会社設立の流れ
①定款の作成
定款とは、設立者(発起人)が定める、会社の骨格となる基本ルールです。会社名・本店の所在地・設立者・資本金等の情報をヒアリングした上で作成します。
②出資金の払込
定款によって定められた出資金を、資本金の入金口座へお振込いただきます。
③関係書類の作成・ご捺印
事前に頂いた設立者や役員の情報をもとに、設立登記の必要書類を作成し、ご捺印いただきます。
③定款の認証
株式会社の場合、定款については公証人の認証を要します。事前予約した上で、司法書士が公証役場へ出頭し手続いたします。
司法書士に手続をご依頼の場合、電子証明書を使用した電子定款での認証が可能ですので、電子署名をお持ちでないご本人が、みずから出頭して手続する場合にかかる、4万円の印紙税が節約できます。
④設立登記
会社は法務局への登記申請によって設立するため、設立ご希望日(土日祝日を除く)に申請いたします。
⑤完了書類の交付
登記完了後、設立後の会社の登記事項証明書・定款・会社実印の印鑑証明書を発行するための印鑑カード、株主の権利を管理・保全するための株主名簿等を交付致します。
発行された登記事項証明書を使用して、以後の法人口座開設や、税務署、年金事務所等、各所への届出を行って頂き、会社は事業活動を開始することになります。
また、定款や株主名簿は設立後の会社本店に備え置き、関係者の閲覧請求に応えられるようにしておくことが義務付けられます。
合同会社について
近年、合同会社の設立が増加しています。
合同会社は、株式会社に比べ、
・定款認証が不要で、設立費用が抑えられる
・定款の自由度が高く、柔軟な設計が可能である
・株式会社では最長でも10年に一度必要な役員改選手続が不要
といったメリットがあり、一人会社の設立・個人事業主の法人成り等に最適な会社形態です。
他方、役員(経営者)と株主(オーナー)を分離して運営したい場合や、株式市場への上場を視野に入れているような場合、株式会社が適しています。
一般社団法人
一般社団法人は、平成18年の法改正により制度化された、比較的新しい法人類型です。
一般社団法人の活用方法は多彩ですが、非営利一般社団法人の要件を満たすように設立することで、会費や基金・寄付金等、収益事業以外の収入については、法人税の課税対象とならないというメリットがあり、業界団体・交流会・研究会等の、共益を目的として活動してきた団体が、法人成りする際等に最適と言えます。
役員変更
株式会社においては、取締役は選任後約1~10年、監査役は選任後約4~10年以内に終了する事業年度の決算承認を行う定時株主総会まで、と任期が定められています。
任期到来の年には、役員のメンバーが変わらない場合であっても、定時株主総会で改選が必要になります。
※この手続きを怠っている場合、法務局から「休眠会社」とみなされ、「みなし解散」の登記がされてしまうことがあります。
株式会社及び一般社団法人の場合には、定款の設計を確認・管理し、定期の役員変更を忘れずに行うようにしましょう。
休眠会社・法人の「みなし解散」にご注意ください。ー企業法務のメンテナンスー
増資(新株発行)
設立後の株式会社は新たに出資を募り、それと引換えに株式を発行することができます。株式発行により、出資額の2分の1~の金額を資本金に計上することになり、資本金が増加します。
出資については、金銭だけではなく、動産・債権などの「現物出資」で行うことも可能です。会社に対する貸付金債権を現物出資することで、債務を株式化するDES(デット・エクイティ・スワップ)などがこれに当たります。
新株予約権
会社に対して請求をすることで、株式を取得できる権利のことを新株予約権と言います。
役員・従業員に対して一定額(Ex.現在の株式価額)で株式を発行できる新株予約権を交付しておき、行使時に株式価額が上がっている場合には、差額分を利益(報酬)として得られるように設計しておく「ストック・オプション」等が代表的な利用例です。
組織再編
合併・会社分割をはじめとした組織再編は、最低でも登記まで3ヶ月~の手続スパンで行われます。弊所では登記申請のみならず、スケジュール作成から、各種決議、債権者保護手続まで一貫してサポート致します。
解散・清算
解散・清算とは、会社の事業を終わらせ、会社を閉じる手続のことを指します。
会社は日々事業活動を行っており、それに応じて在庫等の資産や、売掛金・買掛金等の債権・債務を変動させています。会社を閉じる際には、そうした会社の財産状況を確定したうえで、未収金の取立てや未払金の弁済等といった「清算」を行う必要があります。
清算をしてなおも残った残余財産がある場合には、株主に出資の割合で分配します。
最後は、残余財産分配によって財産がゼロになった計算書を承認し、会社は消滅します(清算結了)。
この清算手続きは、公告等を行う関係上、最低でも2か月半~3ヶ月の期間をかけて行われます。おこなわれる登記も、最初の解散決議時と、最後の清算結了時の2段階に分かれています。基本的な流れは以下のようになります。
①解散決議・清算人選任決議(登記申請)
株主総会(合同会社の場合には、総社員の同意)で解散する旨を決議します。この決議により会社は、今まで行っていた営業活動を停止し、取締役(合同会社の場合は社員)の地位も消滅します。
解散後の会社には清算人という機関が置かれ、消滅した取締役に代わって、以後の清算事務や、取引先との契約解除等を行うことになります。この清算人の選任も、解散決議と同時に行い、登記をします。
②清算事務開始・公告及び催告
解散決議後、清算人は清算事務に入ります。清算人は、会社財産についての財産目録を調製し、債権・債務を含めた会社財産の状況を調査します。併せて、取引先や従業員との契約解除や、社屋の売却処分や賃貸借契約の解約等、会社を閉じるための各種契約について、会社を代表して行います。
また、解散した会社は、清算結了の2か月前に、官報公告、及び、知れている債権者に対する個別の催告を行う必要があります。会社の債権者を平等に保護する目的で行いますので、この2か月間、会社は原則として、債務を弁済することができないとされています。
③債務の弁済、残余財産の分配
2か月の期間満了によって、会社の債務が確定した後、債務を弁済したうえ、なおも残った財産は株主に出資割合で分配します。
④清算結了(登記申請)
残余財産の分配によって清算が結了した旨を、株主総会の決議(合同会社の場合には総社員の同意)により承認します。
この承認総会をもって、会社は法人格を失い、消滅します。清算結了があった旨を登記することで、登記簿も閉鎖されます。
事業承継
事業承継とは、いわば会社の相続のことを指します。
事業承継税制の導入などに代表されるように、近年、経営者の高齢化と相まって、会社経営権の承継に注目が集まるようになっています。
・跡継ぎ候補はいるが、まだ株式は譲らずに経営を任せたい。
・後継者へ株式は譲渡していきたいが、万が一のための経営の決定権は手元に残したい。
・親族ではなく、長年の経験のある番頭さんに経営を任せたいが、相続の関係で問題?
弊所では、株式譲渡や、種類株式の活用といった手法を用い、多様なニーズに合った事業承継の手続をサポートいたします。
お気軽にお問い合わせください。045-353-5374営業時間 9:00-18:00
※事前にご予約をいただければ、土・日・祝日のご面談も承ります。